(12/9/19 by Tai Takehara)
スタートアップが話題になって久しい。新しいアイデアやそこから生まれた技術をもとに大学在学中もしくは卒業してから起業してビジネスをスタートする。世界を席巻するGAFAと呼ばれる大企業も皆スタートアップだったと言う。アメリカで30年ほど前から話題になり出したスタートアップと言う言葉を最近は日本でよく聞く様になった。その前にはアントレプレナーと言う言葉が流行った。ビジネスに必要なのは人・物・金・そしてアイデア=情報だがそれに加えて欠かせないものがある。勇気・根気・和気だ。もう一つ言えば楽観性だろう。日本は人手不足だと騒いでいるがグローバルに観れば世の中に人は溢れている。物はゴミになって処理に困るほどある。金は有るところには唸るほど有るし足りなければ発行(最近はマイニング)すれば理論的には無限にある。アイデアは生活の中に不便・不具合・不条理を憶える課題がある限りそのムリ・ムダ・ムラを解決する為に脳は“something new”を考えだすように出来ている。そうして人類は進歩・進化して来た。たしか2004年にGoogleを起業して先週退任を発表したファウンダーのひとりが「アイデアだけでは意味はない。アイデアを実行する事に意味がある。」と以前言っていた。そう実際にスタートしなければアップしないのだ。そこで必要になって来るのが最初の一歩を後押しする存在だ。そこでGIAではこれからアグリビジネスを中心にスタートアップをサポートして行きたいと思う。
先月11/18〜20の3日間近代日本のスタートの地日本橋で農業とテクノロジーの全国的イベント“ag/sum 2019”が開催された。初日11/18は農大から高野学長が登壇し「世界に貢献する日本農業のグローバルバリューチェーン」と題したパネルディスカッションに参加しその後講演をした。工業化で世界をリードする経済発展を経験した日本がこれから農業でどう貢献して行くのか?グローバル社会の中で日本の出来る事は沢山あるだろう。そして、11/19と11/20の2日間かけて「東京農大xSDGsアイデアソン」がおこなわれ、農大の学生を中心にした15チームがそれぞれのスタートアップのアイデアをプレゼンし最終日にその中から優勝者を選出し優勝賞金10万円を獲得した。優勝チームは醸造学科のメンバーで「牡蠣の貝殻からストローを製造してSDGsに貢献する」と言うタイムリーなビジネスアイデアでプレゼンもなかなか良かった。優勝チームは来年2020年に行われる学生ビジコンに参加する権利を得た。今度は他流試合だ。頑張って欲しい。そもそも農大は実学主義を教育理念として実社会に役立つ学問を標榜して来た。しかし、日本では農業がビジネスであると言う教育はあまりされて来なかった様な気がする。実際、コスト・人件費・先行投資という感覚を大学で教わった記憶がない。グローバル経済の今、農業はアグリビジネスと名を変えまさにビジネスになろうとしている。スタートアップの意識を高め実際に起業して経営していく為の情報を得るワークショップ(体験の場)やラボ(実験の場)を用意して実社会に直結した“生きる力を学ぶ大学”が農大の未来の姿に違いない。ag/sumの成果を継続的なものにする仕組みをGIAで作ろう。
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