農業ワールド2016は3日間で45,000人を越える入場者だったとのこと。時代の要請か「農業はキテル!」のは確かで、しかもグローバル社会の今それは世界的な動きである。そこで、次世代農業を考える上で植物工場に関して日本以外の国の様子を少し書いてみたいと思う。海外の例ではオランダの植物工場が良く取り上げられるが、オランダは温室型が多くLEDによる完全人工光型植物工場の稼働率では、日本、台湾、そしてアメリカが急増中。その背景にはヨーロッパ企業によるグローバルな施設園芸関連企業への人工光型植物工場参入、苗生産の人工光型生産化、バイオ医薬品の原料の人工光型生産化、さらには、食文化の変化(フードイノベーション)の流れとしての植物工場が考えられるが、国や地域によって、植物工場への参入経緯、動機、また名称、定義もまだ異なるのが実情である。つまり、植物工場はまだグローバル化/規模拡大による多様化、標準化の過程にありこれからの発展によるところが大きい。
先日アメリカから日本に来る飛行機の中で「MARTIAN」と言う題の映画を観る機会があった。確かマット・デーモンが主役であまりの面白さに2回繰り返して観てしまったが、火星に一人取り残されてしまった人間が生きて地球に帰還すると言うその物語の中で、火星に人工的な植物工場を作り生き延びると言うくだりがある。人類は2030年までに火星に人間を送ると言っておりSFでなく現実の話になって来た訳だが、アメリカは宇宙航空局NASAを中心に30年以上前から宇宙農業の研究をしておりそれはまさに植物工場の研究である。それに加えて世界の人口増加、都市部への人口集中、食料安全保障、一極集中生産・グローバル化による生産地と消費地の距離的拡大、それに伴う流通コスト増加及び大量な燃料消費(=CO2発生/地球温暖化)問題等々が叫ばれ始め、その解決策としてのローカルフード・食の安全・透明性・サスティナブル社会の為に、植物工場に対する需要・必然性はこれからも増すものと考えられる。
採算性等まだ乗り越えなればならない問題は多いが広い意味での植物工場は間違いなく次世代農業を支える技術を生み出すに違いない。
参考までに世界の植物工場企業のwebsiteをいくつかご紹介します。
http://farmedhere.com/
http://innoplex.org/archives/category/overseas
http://agrinasia.com/archives/824
http://npoplantfactory.org/english.html
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