令和5年1月12日(木)、グリーンアカデミーホール(農大校友会館)3階大会議室にて、GIA編纂「グローバルに未来を思考する~地球の食・農・環境とエネルギー~」出版記念の会が開催されました。
これは去る7月に東京農業大学出版会から本書が上梓されたことを祝うと共に、コロナ禍にあり寄稿者各人がリモートで原稿を出稿、また実行委員会は編集・編纂も全てリモートかつインハウス、それも国境も時差も超えて行うという、まさにグローバル社会を体現したような労苦を慰労する意味でもありました。
遠隔者やご都合のある方々を除き、地方から東京への泊まり込み、または海外アメリカからの寄稿者も含め計10名が一堂に会し初めて顔を合わすなど、その充実感と笑顔が溢れた盛会となりました。
さて近年日本の教育界では『リベラルアーツ=文系・理系に捕らわれず学問領域を横断し、社会・世界を幅広く俯瞰し深い教養を学ぶ』が注目を浴びています。東京大学や東京工業大、私学では慶応大学や早稲田大学が率先し導入し、今では全国でリベラルアーツ学部を設立する大学も少なくありません。
さて本書はタイトルにある通り『グローバルに未来を思考する』とあります。地球と生命を科学し、人類の営みを学ぶ「総合農学」=東京農大にあり、各セクションで述べられる内容は食・環境・エネルギー・技術開発など学びの最先端かつ素人でも分かりやすい研究書・導入書としての位置づけもさることながら、現在の日本が直面するグローバル化の抱える課題とは?や我が東京農大のグローバル人材育成についての報告にまで及び、まさに人間の生命・社会活動の根幹を成す総合農学の裾野の広さ、究極のリベラルアーツ紹介本としての意味合いと価値も兼ね備えています。
報告会では『農大新入生に読んでもらえれば農大の楽しさ・深さを学ぶモチベーションになるはず』や『中学や高校生には農学の幅広い魅力に気づいてもらえるはず』との活発な発言もありました。更に実行委員会からは『このような発刊書は通常、当初の印刷部数を数年単位で販売できれば大変良し、とされるようですが、本書は販売わずか3か月で完売、第二刷もやがて在庫がなくなり、各方面からのご要望の声を鑑み、第三刷の準備を進めている。』との嬉しい報告もありました。
GIAでは当初の発刊に留まるだけでなく、このようなカテゴリー横断型のプロジェクトで培ったグローバルなネットワークを大切に、今後も活動を続けて参ります。
まずは本書を一人でも多くの皆様が手に取られることを祈り、盛会の報告とさせて頂きます。
―鎌塚俊徳
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