米国グローバル・キャリアプログラム派遣学生 その後

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季節も移り少しばかり前になりますが、去る3月末に2015年度『米国グローバル・キャリアプログラム』に参加した7名のOB/OGメンバー達のZoom懇親会を実施しました。

このプログラムは、大澤貫寿理事長のご理解を頂き2013年度より導入・開始された国際的なインターンシップ・プログラムで、米国ロサンゼルスの主に日系企業にインターン生として約1カ月間派遣、到着後の現地企業訪問視察やビジネス講演、在LA日本人ビジネスマン達や日米学生フォーラム等に加え、実際にインターンを行う企業・団体で日本人/日本企業の国際化の現場を目の当たりにすると共に、理系職種や研究職に目が向きがちな農大生に、卒業後の働く社会やビジネス界の幅広さや深さを身をもって体験ししてらおう、と言う充実した内容です。まさに江口文陽新学長のおっしゃる『人材を世界に植える計画』に通ずる将来性のある骨太なプログラムでもあります。

ちなみに、今やこのような職業感育成/グローバル人材育成プログラムは全国数多くの大学で導入されるようにもなっており、キャリアセンターで取り扱われている場合も少なくありません。当プログラムも農大キャリアセンターが告知・募集し選抜した数名のみが派遣されるという狭き門でもあります。

さて、当時在学生だったメンバー達は既に母校農大を巣立ち、実社会の様々な分野で活躍をしていました。

そのうち3名は北海道大、東北大、東京大で研究を続けており、また実社会で羽ばたいているメンバーの中には既に転職経験や、直接的な学びである農学とは違ったIT産業に活躍の場を踏み込んでいる者、また大学を中退後に若くして仲間達との共同出資で起業を進めている者もいました。

卒業後にわざわざこうした懇親会に集まる意志を持った仲間だからか、誰しも自分を持ち堂々としており、新進気概に溢れ逞しく、ひと昔前の農大風の表現をして、しなやかな『猛者(もさ)』とでも言うのでしょうか?

Zoom越しではありましたが、彼女・彼達と話す中でこちらの胸が熱くなり、腹の底からヤル気がこみ上げてくる、そんな懇親会でした。

以下は追って回答して下さったアンケート結果をシェア致します。農大の学園生活やインターンシップ(職業経験)が、その後のものの視点や考え方、行動にどんな影響を与えているのか?を知る良い資料ともなっています。

最後に当プログラムに経緯と熱意を込めて継続実施されているキャリアセンターの皆さん、アンケートに回答下さったメンバーの皆さんには厚くお礼申し上げます。

Q.1 参加前と参加後で気付いた自分の『変化』は?

・視座が上がった。ロサンゼルスで活躍し、働いている日本人と話したことで、自分のキャリアを再考するきっかけになった。成長したいというモチベーションが沸いた。

・人の目線を気にせず、堂々とできるようになった。日本に限らずどこでも仕事ができるイメージに繋がった。

・自分が本当にやりたいことは何か、そのために何をすべきかが少し分かった。

・日本の当たり前が当たり前ではないという事に気付き、物事を広い視野で考えることが出来るようになりました。

・インターン先の企業の方や取引先の方が皆さん英語力の有無に関わらず自然に自分のスタイルで働いている所を見て、いい意味で海外への憧れがなくなりました。本当にやりたいことがあればいつでも海外で働けることに気付きました。その上で、自分が本当にやりたいことを見つめ直すきっかけになりました。

・母国語が違う人と話すことへの抵抗が小さくなりました。

Q.2 帰国後の『学び』への影響についてお知らせ下さい。

・世界で通用する人材になるために、英語とITと経営の勉強を1から始めた。自由なキャリアを描くために、まず自分の市場価値をあげて、万全の体制で海外で働くことができるように準備を始めた

・アメリカインターンの経験を踏まえて、次にどのような事に挑戦するべきかを考えることができた。

・英語を読むことや学ぶことも以前ほど苦ではなくなり、英語論文を読んだり書いたりすることに大変役立っていると思います。

・それまで高尚なイメージがあって近寄りがたかった「学び」がより身近で、面白いものになった。

・英語の実践経験を積んだことで、仕事で必要な英語を意識しながら語学の勉強をすることができるようになった

・語学に関して、やはり実践を積まなくてはいけないなと痛感したので様々な方法で話す練習をするようになりました

・同じプログラムに参加していた他校学生の英語スキルが高く刺激を受けたので、帰国後にTOEICを勉強し直して、参加前より250点ほどアップ(700点程)しました。

Q.3 『就活』についての影響についてはどうですか?

・無事第一志望に内定することができた。

・海外向けに展開できる企業や海外とつながりがある企業の方が魅力的に感じるのは、インターン体験の影響だと思います。選択肢を広げていただいたと感じます。

・社会福祉団体でのインターンだったので、スタートアップのエンジニアとして就職するのに直接影響はなかったが、原体験の一つとして話せる出来ことだったので、人事の方に興味を持ってもらうきっかけになった。

・アメリカインターンの他、海外ボランティアや留学もしたためインターン1個の影響力は「就活」では小さくはなりましたが、貴重で重要な経験だったことには変わりはないです。

・自分で考えて行動したという点を、エピソードトークで話せました。

・まだ就活をしていないが、頑張ったことの一つとしてアピールできる経験だったと思う

・これから就活なのでまだなんとも言えません…。

Q.4 インターン体験が『今の仕事・人生』にどのように活かされていますか?

・「学び」の厳しさと、自分にとっての未知を探究する楽しさを知り、辛い環境に置かれたときも「その場で得られる学び」に目を向けられるようになった。また以前よりチャレンジしてみることを恐れなくなった。

・最も活きたと思う場面は、英語へのハードルがさがったことです。さまざまな国の方と人脈を築いたり、一緒に仕事をする自信やチャレンジしてみたい気持ちにつながったと思います。

・1年生の時に参加したので、1ヶ月間海外で過ごしたという事実そのものがその後の学生生活での自信につながりました。仕事に直接活かされているとは言えないかもしれませんが、「海外に日本の地域の良さを発信する前に、まずは日本人が地域の良さを知るべき」という考えになり今の仕事に就いています。そして、このプログラムで出会った仲間は農大OBOGに限らず未だに連絡を取る人も多く、面白い出会いだったと思います。

・海外の人と話すのを物怖じしなくなった。

・本当に自分がやりたいことを追求する人生を手に入れた。

・インターンをきっかけにエンジニアとして、経営者としての人生が始まりました。キャリアそのものが根幹から変わったと思います。

・インターンで出会った同期メンバーとの交流が続いており、今でもいい刺激を受けています

・ホストファミリーや日本からの他の大学の参加者との交流が、視野を広げその後の考え方に活かされていると思います。

Q.5 その後の人生で面白い体験談があればお教え下さい。

・ずっと挑戦してみたいと思っていたISF(農大の世界学生サミット)にプレゼンターとして参加した。

・その後参加した内閣府青年育成交流事業にて、ミャンマーに行き、現地の人と日本人で行ったディスカッションのファシリテーターを努めた。挑戦しようという勇気はこの経験があったからこそだと思う。

・日系のフリーペーパー発行会社にインターンをしてから、不思議と新聞関連に縁があり、キャリアセンターの紹介で北海道新聞の学生通信員をさせていただき、現職では地方新聞社と一緒になって地方創生に取り組んでいます。

・面白いかはわからないですが、、インターン先にボランティアで来ていた方のご友人と、インターン中にスポーツ観戦に行きました。その方と、今でも連絡をとっており、日本にいらした際もお会いしました。

・JICAのインターンでマダガスカルに行き、稲作技術振興プロジェクトに参加したことです

・帰国してから大学を中退し、Amazon倉庫の夜勤で貯蓄した後にドイツにワーキングホリデーに行きました。難民の研究と、難民にプログラミングを教える団体のお手伝いをしていました。帰国後、NPO法人WELgeeを立ち上げ、理事として今も関わっています。難民にプログラミングを教えてIT企業に就職してもらう事業をしました。その後株式会社ハッシャダイに入社し、「ヤンキーハッカー」という中卒・高卒の人材のプログラミング教育のメンターとキャリアアドバイザーとして勤務しました。現在は独立し、システム開発の会社を経営しています。

・その後も海外で、書き切れないほど大小様々な面白い経験をしました。

・1番達成感があったのは、卒論のためフィリピンの農村で調査を行ったことだと思います。

―鎌塚俊徳

1989年 農業経済学科卒

鎌塚グローバル教育研究所 主宰

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