By Takeo Sasaki on 09/04/20
ウイルスは細菌と違って細胞を持たないので自己増殖できません。そのため、他の細胞に入り込んで、自分の遺伝子のコピーを作らせその細胞が壊れて多数のウイルスが飛び出し、更に別の細胞に侵入してウイルスは増殖します。ウイルスの中には生物を殺してしまう能力を持つものもありますが、とりついた人・動物など宿主を殺して次に取りつけなければ、自分たちの居場所がなくなってしまい消滅してしまいます。そのため毒力の強いウイルスより弱いものが生き残る可能性が高く、生物と共存するようになる可能性が大きいです。
コロナウイルスによって、一時的かもしれませんが、人々は制限を受け、今までとは違う生き方が必要になりました。人同士の物理的距離は遠くなり、代わりにネットを通じて人同士や地域間の距離が縮まりました。会議ソフトを使う生活が急に広まり、ネット社会の可能性が大きく広がり、地域の格差が縮まる可能性が見えてきたかもしれません。
コロナウイルス感染症の勢いは陰りを見せているものの、またいつ次の波が来るか分かりません。とはいえ、ワクチンや治療薬が開発され、症例を積み重ねることで人類はいつしかコロナウイルス感染症に打ち勝つことでしょう。
その時、今回の経験から我々は何を学び、コロナウイルス感染症後の世界をどう生きるのか。
コロナウイルス感染症は、多くの感染者と死者を出しました。この災害は、未知のウイルスとの戦いだったため多くの犠牲を払いました。次に未知の感染症が蔓延した際、もっと小さな被害にすることは出来ないのか。
私はキーワードとして「迅速な情報(危機感)の共有」、「感染経路の遮断」、「生活様式の見直し」について考えてみました。
現代はグローバルな社会です。他国との物流、人の行き来なしには日常が回らないほどに、他国との緊密な関係が出来ています。そういう時代だからこそ、感染症発生の情報は迅速に共有し、危機感をもって対策を講じなければ、今回のような大災害になります。
未知の病原体に対する対策としては、封じ込めが必要です。そのためには、日本等でやられているように感染経路を追い、感染を遮断してゆくことは有効です。感染の封じ込めが早ければ早いほど、感染の遮断を徹底すればするほど感染症の被害を小さくすることが出来ます。
感染が広まってしまった時の対応として、今回実施されているような「生活様式の見直し」は重要です。今回のような感染症では飛沫等によるウイルスとの接触が被害を広く、大きくする可能性が大きいです。100年前に流行したスペイン風邪の時の教訓であった。人ごみに出ない、マスク装着、患者隔離、手洗いを徹底すればこの病気の蔓延を抑えられることが再確認されました。
今回のコロナウイルス感染症の影響で、在宅勤務が一気に進み、都会に集中していた仕事場をリモートで遠隔地に置くことや、ワーケーションという言葉が出来て、バケーションと仕事を同時にするライフスタイルが提唱され、広がり始めています。
大都市集中で、満員電車に長時間揺られて職場に行って仕事をすることが少しずつ見直されています。
コロナウイルス感染症の蔓延を経て、生活様式を見直し、人との距離を保って、感染症の蔓延しにくい社会をつくり、人々、国々が共存共栄する社会にしていくことが求められているのかもしれません。そのことはまた、都心に集中する機能を分散することで、より生きやすい生活でありながら効率を落とさず、より創造的な仕事スタイルにシフトすることが求められていることと期待しています。
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