10月13日当日、幕張メッセの農業ワールド2016(農業資材、6次化農業、次世代農業Expo)はなかなか盛況で’農業’でこれだけの企業と人が集まる時代は今まで無かっただろうと一緒に見て回った大西先生(農大准教授)と話してました。実態は補助金による国のバックアップがあるにしても多様な企業がビジネスとして’農業’に取り組んでいる事には賛成できます。補助金をスターターとして継続的なビジネス(=利益の上がる)農業を確立させて次世代の農業とする必要があります。しかし、企業は利益が上がらなければいっせいに引きますのでそれが心配なのと、無理に利益を上げるためにコストの高い商品/サービスを売る様なマーケティングはして欲しく無いと思います。特にコンサル系のサービスが会場で多く見受けられましたのでそれが農産物の価格を押し上げない事を祈ります。最新技術とされるioTの導入にはどうしても最初にセンサーやカメラを設置する初期コストとデータの蓄積/分析にかかるコストが必要になりますからそれらのコストとioT導入による効率改善/コストダウンの関係を考えなければなりません。農業機械が発達して農家でなく機械屋だけが儲かっても意味が無いのと一緒です。また、コストダウンと言うのは=人件費減らしみたいなところがありますから人減らしはいづれ農家が減ることに繋がります。もし、農業と言う産業をより盛んにしようとするのであれば農業者を増やす事に繋がらなければいけない筈ですが最先端農業の進んでいる先は機械や情報管理技術を進歩させて農業従事者をへらす方向に進んでいる様に見受けられます。となると、その解決策は農家の大規模化と6次産業化と言うことになります。農業を生産業としてだけでなくサービス業と捉える必要もあるでしょう。そうすればグリーンツーリズムや農民泊も農業のカテゴリーに入ります。生産者一人当たりの農業生産量はこれから飛躍的に上がるでしょうから農業と言う産業を発展させる(農に携わる人を増やす)ためには農業の枠を広げるしかありません。そう、これも既存の業界の縦割り(枠)を超えるグローバルの概念です。因みに、ニュースでJRは鉄道部門は赤字だが駅ナカのショッピングモールで黒字になっていると言ってましたので鉄道業界も一緒の様です。
話を戻しますと、幕張メッセでは農業資材、6次化農業、次世代農業の3つのエリアに分かれてましたがやはり次世代農業エリアが人も多く面白かったですね。植物工場、ドローン、ioT、ソーラーシェアリング、中でも植物工場はパナソニックやNTTもブースを構え第三次ブームだそうです。農大総研植物工場部会長の山中さん(大成建設)も会場におみえでした。私が注目しているのは、畑の上3mの所にソーラーパネルを設置して行うソーラーシェアリングです。農業と売電の一石二鳥を狙ったものですが遮光/クールダウンにもなって農業生産量が上がる例もあるそうです。3年前のFIT(電力買取制度)がきっかけで実用化が進んだものですがこの3年で全国400箇所に広がっています。日本発のアイデアですが今後アメリカはじめ世界に広がるでしょう。電気の必要な鶏舎や乳牛舎や植物工場の屋根にも利用されて行くものと思います。あとは、遺伝子組み換えによるGM種子やユーグレナに代表される植物からの燃料生産や竹/木材や家畜の糞尿を使ったバイオマスエネルギー生産など農業の世界はどんどん広がって行くのを感じました。より多くの人々に農の可能性発見してもらいたいものです。
簡単な農業ワールド2016レポートまで。
by Tai Takehara
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