投稿者:秋丸剛志
QRコード決済3つのポイント
- 御茶ノ水店のお客様のうち約1/3がPayPayでお支払い。消費税増にともない値上げしたにも関わらず客数増
- アプリ版「PayPay for Business」ではお客様のQRコードを読み取るだけでお会計ができるので顧客満足度増
- マルシェなどの対面販売でのコミュニケーションツールだけでなくイベントの集客ツールにも
ーこの記事が参考になりそうな人ー
キャッシュレスの現状を知りたい事業者様
PayPayを集客に利用したい事業者様
・全国の飲食店経営者
・移動販売やマルシェなど対面販売をなされている方
・集客ツールを探している店舗経営者
PayPay導入の契機と利用してみて分かった事
GIA会員や読者の皆様の中には海外で暮らしている方も多いので、簡単にペイペイの説明をしますと、日本では大型還元キャンペーンを繰り返したソフトバンクグループ傘下のスマホ決済アプリ「ペイペイ」が登録ユーザー数2,000万人に加え、私のような加盟店数は170万カ所以上もあり、なんと累計決済回数が3億回を突破しました。もともと日本では電子マネーの利用が拡大しているものの、現金志向が強く、キャッシュレス化が進展せず、キャッシュレス比率が19.8%であり、これは還付率や対象の拡大、小規模加盟店向け加盟店手数料の規制など施策を講じた韓国の96.4%に比べると極めて低いといえます。
そのような状況でしたが、日本では消費税増税に伴い、支払額の〇%をポイントやキャッシュバックで還元する施策が去る2019年10月1日から施行開始し、同日にスタートした「キャッシュレス・消費者還元事業」の影響に加え、PayPayが1日限定で実施した「PayPay感謝デー」や「まちかどペイペイ」などのキャンペーンを利用し、キャッシュレスでよりお得に買い物をしたいというユーザーが急増したと見解しております。もちろん、他QRコード決済会社も同様なキャンペーンを打ち続けた結果でもあります。世界でのキャッシュレス化の波に完全に乗り遅れた日本はここにきて、その遅れを取り戻そうとしているのが現状です。
偉そうに話しておりますが、実は私も現金主義だったので、QRコード決済を個人でも会社でも利用しておりませんでした。PayPayの営業担当の訪問をきっかけに御茶ノ水フェアビンデンにPayPayを導入しました。そもそも添加物や産地へのこだわりが強くレトロな店ゆえに、常連のお客様がQRコード決済を利用するとは思わなかった、という固定観念があり、はじめはPayPay導入を断ろうと思いましたが、営業の方が感じが良く、無料であれば導入してもいいかなーという軽いノリでした。
店舗での導入後、意外だったのが「OLさんは全く利用しない」「家族を持つお父さん方は利用していた」という事でして、前者については圧倒的にセキュリティ面での不安を感じているOLさんが多かったです。また日本人特有のなんとなく信用できないとか、今はやらないという意見も多かったです。これについては銀行口座を登録せずにペイペイ残高にチャージできるサービス(セブン銀行ATMからのチャージ)で解消されましたが、このサービスが出来るまでは当店を利用するOLさんはペイペイを使わなかったです。また後者に関しては、ペイペイのキャンペーンを上手く利用してお小遣いを増やしたいパパさんが多く、当店での導入後、いくら戻ってきたとか20回に1回無料になるキャンペーンが当たったとか、毎日のコミュニケーションツールと化しておりました。
このように毎日キャッシュバックされることへの還元と、セキュリティの不安要素などの天秤にかけ、男女での価値観というのを実体験で感じました。そこで、私は二つの実験をしました。一つはY!カード申込によるTポイント&ペイペイ還元。もう一つはアプリ版「PayPay for Business」の活用です。もともと楽天ショッピングとカードを活用していた私ですが、Y!カード申込で〇千円還元というキャンペーンとペイペイ利用でTポイントが有効的に貯まるという方法を研究し、当店の御客様とくに20代の方々にY!カード申込とペイペイ登録するとこれだけ還元されるよ!というシュミレーションを見せてあげ、その場で何人いや何十人にかに登録アドバイスをしておりました。単純にユーザーもお得ですし、ペイペイユーザーになってくれれば当店での利用率も高まるので。一方で、ペイペイの管理画面では近くのお店でペイペイが利用できるというGPS機能もあり、それを見た新規顧客も増え、近辺でペイペイを活用しているお店が少なかったこともありリピーター率が高かったです。無料で使え、さらに決済手数料など費用が掛からないツールは初めてだったので、正直驚いております。
増税時にPayPayの還元を全面的にアピール
このように支払い方法が増え、御客様にいろいろ還元することで顧客満足度が上がったと思います。キャンペーンや消費者の不安要素解消に向けた取り組みにより、予想以上にPayPayを使う人が多くなったと現場にいて感じました。いまでは全体のお客様数のうち約3分の1が、PayPayで決済しています。正直、増税時にランチ価格を上げたのですが、御客様の集客が減ったらどうしようと悩んでおりましたが、キャッシュレス・消費者還元事業に加えて、ペイペイが消費税増税のタイミングで開催された「まちかどペイペイ 第1弾」キャンペーンにも助けられ、客数が減るどころか少し増えました。
「まちかどペイペイ 第1弾」キャンペーン
キャンペーン期間中に(2019年10月~2019年11月)、所定の条件に当てはまるPayPay加盟店であれば、所定のPayPayボーナスが利用者に還元されるキャンペーン。
「消費者還元による還元」5%相当に、さらに5%相当を上乗せして、合計10%相当のPayPayボーナスを付与します。
店内・店外のいたるところにPayPayの販促物を貼って、PayPayボーナスで還元が受けられることを全面にアピールしました。PayPayがきっかけで来店し、リピーターになってくれた方も多く、集客ツールとしても役立っていると感じています。個人的にもPayPayを活用するようになり、ヤフーショッピングとあわせて利用し、PayPayとTポイントのコンボで毎月〇万円のポイントが貯まって満足しております。創意工夫をすれば二重、三重にポイントが貯まるので、ユーチューブなので情報収集するのが最近のマイブームとなりました。このように常連のお客様には「毎回の支払いをPayPayにすればPayPayボーナスがこれだけ貯まりますよ」と有益な情報をお伝えすれば、御客様は店舗のファンになること間違いなしです。移動販売やマルシェなどでの対面販売をなされている方にもペイペイを勧めておりますが、コミュニケーションツールにもなり得ますので、まだ導入なされてない方は気軽にお申し付けください。
「PayPay for Business」を活用して顧客満足度がさらに増
御客様のQRコードを店舗側が読み取って決済をする「スキャン受け取り(ストアスキャン)」の機能もスペシャルです。もともと御客様がいちいち面倒な作業をなくし、アプリを起動してすぐにお支払する機能を私は求めておりました。お会計時に、御客様に店舗のQRコードを読み取っていただき、金額を入力してもらう決済方法よりも、コンビニやチェーン店で利用されているQRコードを出していただくだけで決済を完了できるのは理想的です。この機能の導入費用も無料で、決済システム利用料も掛からず、専用の機械を用意する必要もないので、事業者側としては導入のハードルは極めて低いです。御客様からは「すごいね!楽でいいね!」と好評で、コミュニケーションツールになっております。個人的な見解ですが、昭和なレトロなお店なのに「最先端のものを柔軟に取り入れて使いこなしているお店」というイメージを御客様に与えたいので、スマホアプリ版「PayPay for Business」はそういう意味ではスペシャルな機能です。
実は丸の内行幸マルシェでは、運営側とペイペイの担当者を結び、期間限定でコラボイベントを実施しました。前者はペイペイを活用した集客、後者はペイペイの利用者や加盟店増加などお互いがwin-winであり、こういったコラボが地方経済成長の起爆剤につながれば企画者冥利に尽きますので、柔軟な発想を持つ皆様にはどんどん利用して頂きたいと思っております。
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