23年7月末から約一か月間、アメリカ南部バージニア州の名門大学バージニア工科大(Virginia Tech University/V Tech)』の25名の学生が約一か月間の日本留学を行いました。
コロナ禍で中断していた渡航プログラムは4年ぶりとなり、メインは約1か月に及ぶ京都御所や同志社大学にほど近いエリアにある語学学校での日本語集中講義。そして帰国前の1週間を活用して広島、岡山、そして東京を訪れ、羽田国際空港から帰国の途につきました。
京都での日本語集中講座での滞在は日本人家庭でのホームステイ。以前はほぼ京都市内で手配出来ていたホームステイもコロナ渦中に日本側の状況も激変し、今回は受入ホストも大阪や奈良、滋賀県と様々で、中には1時間半近くかけて登校する学生もいたようです。ですがそんな日本人の通勤や生活環境、窓から眺める普通の生活感を肌で感じてもらう事で、アメリカの大学の教室で学ぶ日本語とは一味も二味も違った本場の体験にもなった事と思います。
今回私がお手伝いしたのは東京での滞在。5日間の手配交渉をした品川エリアのホテルが最高の眺望の部屋を確保して下さいました。山々が連なるアメリカの田舎から来た学生にとって40階近い近代的な巨大ホテルは驚きの連続。普段は朝寝坊する学生達も豪華な朝食ビュッフェ目的で早朝から目を輝かせていました。また品川エリアの利便性の良さ、JR各路線と山手線の便利さも魅力のようで、アメリカから引率された先生は『もし、電車の中で寝過ごしてしまっても乗り過ごしても大丈夫!山手線はループ(環状)なので、いずれまたシナガワに帰ってきますよ~。』。日本人学生を海外に連れて行くときには『現地治安、忘れ物、お金、スリに気を付けるように!荷物は前に抱えて一瞬たりとも気を抜かないように!』と再三警告?するのとはうって変わって日本の治安の良さに我々もびっくり。
さて、危険なほど暑いと言われた熱波が押し寄せた8月上旬の金曜日朝。前夜遅くに広島から移動して来た一団を、まずは東京をご案内・散策と言う予定で、東京や神奈川からの複数の大学から参加してくれた日本人学生ボランティア達の案内の下、25名はシナガワ駅を出発しました。
まず向かうのはハラジュク!大人数の団体行動で電車の乗り遅れ、降り遅れが無いように確認。
この日はあまりの暑さに明治神宮はスキップして竹下通りに直行。ピンクやパステルカラーの中高生女子が多いものの、中には真っ黒なゴスロリドレスを着飾った団体がいたり,,,と、我々日本人にとっても異次元空間です。日本の少女たちが頻繁に使う『カワイイ~』はいまや“Kawaii”として世界共通語となっており、まさに世界中からKawaiiを求めるティーンエイジャー達が集まるポップな街を楽しみました。
そしてその後は、今やニューヨークのタイムズスクエアと肩を並べる世界的観光スポットとなった渋谷駅前交差点(シブヤ・クロッシング)へ。もちろんハチ公像の前での写真撮影も欠かせません。各自で自由時間となったセンター街でのランチでは、回転寿司、パスタ、ラーメン、などなどを楽しんだ様子。
午後は3グループに分かれました。私が案内したのは東京下町組。上野エリアと共に東京スタイツリーを見学、東京湾はもとより広大な関東平野を一望に出来る地上450mからの眺めに参加者は口をあんぐりと開けて驚いていました。
2組目のMAJIME組は大学の先生が上野の博物館や美術館をご案内。先生曰く『私は冷房の効いた室内でズルをさせて頂きます,,,』との事。実際のところ日本の豊富な歴史・文化に培われた美術品、工芸品などを収めた国立博物館は一見の価値があります。サムライ時代や文化に関心を持つ学生も多く、まさにThis is Japanを体験。
そして最も参加人数が多かったがOTAKU組!私達は秋葉原を予想していたのだけれど、いまはイケブクロなのだそうです。各人が事前に調べて行きたかったお店や、この日に協力してくれた日本人学生達が手分けしてアニメショップや様々なお店を案内した様子。一向に気温が下がらない中、午後一杯楽しんだ後に更にみんなでイザカヤに繰り出して親睦を深めたようです。
その後の3日間は案内なしに各自が自由に関東エリアを堪能。湘南の海に海水浴、東京ディズニーランド、アキハバラや街歩き、美術館や水族館、など様々なアングルからで大都市を満喫しました。 最後に、コロナ禍を超えてようやく学生交流が本格化して来ました。来年は是非とも東京農大のキャンパスで研究室や教室を見学したり、日本の大学の学食を経験したり、更には在学生との交流会などを実施したく考えています。
-鎌塚俊徳
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