韓国の食料問題

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韓国の食料問題について、

東京農業大学大学院国際農業開発学専攻の尹堵鉉が発表します。

 

1.肉消費量

韓国は、2000年度を起点として毎年肉の消費量が増えています。

1990年の1人あたり肉類の消費量は19.9kgでしたが、

2000年には31.9kgへと増加しました。

さらに2013年には、42.7kgとなり、その水準はで日本の44kg(2013年)と同じになりました。

そのこともあって、韓国でも食卓は西洋化が進んでいます。

 

肉の消費に関して、韓国には独特の文化があります。

主に酒を飲むとき肉を食べますが

「豚はバラ肉」「牛はヒレ肉」「カルビ」などの特定部位だけ食べますので、

他の部位は廃棄されて問題になることがあります(鶏の場合は部位を選ばないです)。

(*)統計資料 韓国:農林水産部、日本:総務省統計局

 

2.軍への納品と食料消費

軍を活用して使い途のない在庫を農民から購入する場合もあります。

口蹄疫などが発生しニュースで報じられた後売上が下がったら、

軍が大量購入して農民を補助します。

西洋化で売上が減少した米もほぼ軍から調達します。

(*)軍納で米ラーメンとか米乾パン、などの補給及び開発

 

3.乳製品問題

1ヶ月前に問題となりました牛乳販売。

毎年減り続け、去年には史上最悪を記録しました。

粉乳は乳牛の低出産率の影響で、

2013年7,328tの在庫が2014年には16,816tとなりました。

牛乳の販売も去年比-12%となり、 現在酪農協会は生産量を削減させています。

 

私の意見ですが、低出産率に加えて、加工のも弱ではないかと思います。

韓国の牛乳加工といえば、バタ-、ヨーグルトくらいしか思いつかないです。

日本のシュークリームとかチーズ、クリーパンなどのスイーツ類がほとんどありません。

 

パンを食べても食の代用品の程度です。

これは、乳製品などの味が韓国には合わないではないかと思います。

乳製品は味がしつこいという消費者が多いし、

それよりも新鮮な野菜などを加えるサンドイッチなどを好んで食べます。

それと朝鮮人参ジュースなどを牛乳の代わりに飲用しており、

そのことが酪農の沈滞要因と思われます。

 

「牛乳を飲む=>健康になる」という認識だったのですが、

2012年からずっと牛乳が話題となり、

「牛乳がなぜ悪いか」「牛乳の栄養学」「牛乳と癌」というニュースと番組がありました。

「牛乳を飲む=>健康になる」ということが、

現実の動きとして覆されたことも、酪農系の沈滞原因と思います。

 

4.FTA

韓中FTAは、農産品はほとんど開放していません。

特に韓国の主要農産品の場合、 交渉の場からは除かれました。

韓米FTAで農業関係の重点は牛でした。

アメリカ政府は牛の関税に関してしつこく韓国政府に迫り、

2012年から15年間をかけて段階的に関税を撤廃することに決まりました。

 

それ以外の農業関連関税は即時関税撤廃品目が、

韓国573個 アメリカ1065個になりました。

車の場合、4年後16年に関税撤廃になります。

また韓米FTAでもコメ交渉から除外されました。

TPPという多国間FTAには加入しておりません。

 

5.WTO

FTAとは別の問題で 、Uruguay Roundのとき協定した米の市場開放。

そのとき途上国であった韓国は米の市場開放を猶予されましたが、

義務輸入量が毎年どんどん上がり、消費より在庫の負担が大きくなり、

14年を最後に15年1月1日から米市場の開放が行いました。

 

ただし関税率は513%で定められています。

これをきっかけに、で2014年から「米安定生産対策」を発表。

安定生産量を415万トンと設定、10haあたり506kgを目標にしています。

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